2012年9月25日火曜日

ドイツ語の検定試験

日本で有名なのは、「ドイツ語技能検定試験」、通称「独検」。ただしこれは財団法人ドイツ語学文学振興会が実施する日本独自の検定試験。日本国内でしか通用せず、海外の人には価値がわからない。

国際的に認定されている試験としては、以下がある。

- TestDaF (テスト・ダフ)
- Goethe-Zertifikat シリーズ


■TestDaF
TestDaF(Test Deutsch als Fremdsprache) はドイツTestDaf Institute(TDI)が実施するドイツ語能力を認定するための試験。CEFRのB2~C1レベルに対応し、ドイツの大学に入学するための語学能力資格として公式に認められている。

TestDaf - ゲーテ・インスティトゥート東京
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/lrn/prf/tdf/ja3491835v.htm

TestDaf
http://www.testdaf.de/index.php



■Goethe-Zertifikat
なぜこんな分かりづらい名称になっているのか、不思議で仕方がない。CEFRのA1~C2に対応しているが、それぞれ名称が違う。

A1: Goethe-Zertifikat A1: Start Deutsch 1
A2: Goethe-Zertifikat A2: Start Deutsch 2
B1: Goethe-Zertifikat B1: Zertifikat Deutsch (ZD,  ドイツ語基礎統一試験)
B2: Goethe-Zertifikat B2
C1: Goethe-Zertifikat C1
C2: Goethe-Zertifikat C2: Großes Deutsches Sprachdiplom

他にも青少年向けや職業人向けの区分が用意されているので、下記サイトを参照されたし。


ドイツ語検定試験  - ゲーテ・インスティトゥート東京
http://www.goethe.de/lrn/prj/pba/bes/jaindex.htm




2012年9月23日日曜日

国際的な語学検定メモ

語学検定を国際的に実施している言語は19種。 は下記をはじめ多数。

  • アラビア語
  • 中国語
  • チェコ語
  • オランダ語
  • 英語
  • フィンランド語
  • フランス語
  • ドイツ語
  • アイルランド語
  • イタリア語
  • 日本語
  • 韓国語
  • ラテン語
  • ノルウェー語
  • ポルトガル語
  • ロシア語
  • スペイン語
  • スウェーデン語
  • トルコ語
etc.

参考: Wikipedia: List of language proficiency tests


この内、日本国内で実施しているのは、下記8言語。


2009年12月18日金曜日

台湾華語を学びたい人のための覚書

台湾は地理的に日本に近く、旅行者の往来も多い。また携帯電話やPC(Acer, Asus, BenQ, HTC etc.)などの電化製品も数多く輸入されている。しかしながら台湾で使われている言語に関しては、根本的に情報が少なく、日本人学習者にとっては敷居が高い。自分の経験を踏まえてメモを残しておく。

■台湾で使われている言葉 = 台湾語??
台湾だからといって台湾語がメインに使われているわけではない。公用語は台湾華語(台湾内では國語と呼ばれるもの)。基本的には中国語(北京語, Mandarin)と同様だが、発音や単語表記などが台湾独自のものとなっている。

台湾語は主に中南部で話されている言葉で、台湾華語とは別の言葉。書店に行くと「台湾語入門」みたいなのはたくさん売っている。けれど、これをマスターしても台湾のニュースサイトが読めるようになるわけではない。


■中国語の参考書買ってこればいい?
日本で刊行されている中国語の参考書はほぼ100%北京語(普通話)で、これらは台湾のスタイル(台湾華語)とは少し違う。台湾華語と北京語の一番の大きな違いは、文字と読みがな(≒情報機器における入力方法)。

台湾華語 - 繁体字(例:飛機) & 注音符号(例: ㄈㄟ ㄐㄧ)
普通話 - 簡体字(例:飞机) & ピンイン(例: fēi jī)

繁体字(Traditional Chinese)は画数の多い伝統的な正体字。簡体字(Simplified Chinese)はその名の通り画数を省略してシンプルにした文字。基本的には違うもの。(当然、日本語の漢字とも違う)ただし文法自体はほぼ同じ。

日本国内では「繁体字+注音符号」で台湾華語を学べる語学書は現在のところ皆無(読者は多くないにせよ、刊行すれば一定の需要はある気がするが)。だから国内に流通している大陸式の簡体字+ピンイン参考書で大陸流の中国語を覚えてから、台湾式の繁体字を別の形で覚えるのがひとつのやり方。実際のところ、多くの人がそうしている。もしそのやり方でも続けられるなら、その方がいいかもしれない。(私には無理だったが……)


■あえて繁体字+注音で勉強したい場合
どうしても台湾式の「繁体字+注音」で勉強したいなら、台湾国内で刊行されているものを選ぶしかない。でも実は台湾国内でも、注音符号付きで台湾華語を学べる語学書はそれほど多くない。スタンダードなものは

『新版實用視聽華語(1?5)』(台湾師範大学著、正中書局)
注音符号とピンインが用いられている正統派教科書。教科書のみ、CD付き教科書、問題集と、色々とバリエーションがある。ただし解説は英語なので、英語が読めない人にはお勧めできない。

『華語簡易通 (入門編?基礎編)』日本語版(台湾師範大学著、正中書局)
というものもある。こちらは2009年に刊行された新しいタイトルで、日本語で記されている。基本的に「新版實用視聽華語」の1?2に相当する内容だが、どちらかといえばより実践的・日常的な会話。こちらも注音とピンイン併記。

上記書籍は下記のようなネット書店で購入可能。(私自身は博客來網路にお願いした。問題なく届いたが、トラブル時のことを考えたら日本語が通じるネットショップもいいかもしれない)
博客來網路書店(クレジットカード)
台湾ニーハオ市場(銀行振込のみ)
chinese1.jpg

chinesetextbook2.jpg


■ピンイン or 注音 どちらで覚えるか
ピンインも注音も、音を文字で表現したもの。基本的に音自体はほぼ同じだし、繁体字であってもピンインによる入力が可能なので、必ずしも注音符号が必要なわけではない。が、台湾人のチャットやブログには注音記号そのまま('ㄟ'=eiとか)が頻繁に使われる。台湾人と関わるなら、ひと通り読み方はわかっている必要はある。

また、台湾の人は基本的にピンインは読めない。彼らに漢字の読み方を聞いても、ピンインでは教えてくれない。もちろん読める人も多いが、幼少期から注音符号で言葉をならっていて、日常のPC作業でも注音符号で入力している。ピンインで思考しているわけではない。


■繁体字の入力
繁体字を入力するには、繁体字用のインプットメソッドをインストールする。インプットメソッドはMacやWindowsには標準で用意されている。「繁体字(台湾)」みたいなものを、入力オプションに追加すればOK(詳細割愛) ちなみにこれらは注音でもピンインでも入力可能。

ただし、OS標準添付のものは変換効率がそれほどよくないらしい。台湾のGeekが薦めてくれたのは「Chewing:新酷音」 これも注音・ピンイン入力可。


■あえて注音符号でキー入力するなら
ピンインでなく、台湾流に注音で入力するなら、注音符号の独特のキー配列を覚えなければならない(日本でいうカナ配列みたいなもの)。配列は↓の図を丸暗記すればよいが、実際に覚えるには繁体字用キーボードを使った方がラクかもしれない。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Keyboard_layout_Zhuyin.svg

注音符号がキートップにプリントされた繁体字キーボードは、日本で入手するのは困難。昔は秋葉原のクレバリー2号館に置いてあった気がするが、このご時世、繁体字キーボードの在庫を持っているショップなどない。基本的には海外からの取り寄せになる。

自分が欲しいモデルが決まっているなら個人輸入でいいと思う(ただしキーボード本体よりも高い送料・手数料がかかる)。もし色々と試したいなら、台湾に行った方が早い。「光華商場」ではたくさんのキーボードが試せる。

(補足:語学書とキーボードの取寄でかかる送料・手数料を考えると、安い航空券買って台湾に行き、タクシーで「光華商場」と「誠品書店」をまわって、キーボードと語学書を買ってきた方が、実際早くて安い。私は現地で自宅用とオフィス用のキーボードを買ってきた)
keyboard2.jpg

chinesekeyboard.jpg


■注音符号を覚えたい。そのためのアプリケーションがあります
注音符号学習用のiPhoneアプリ。ただしどちらも非常にシンプルなもので、教材と呼べるほどのものではないが、iPhoneに入れておけばヒマな時に記憶チェックできるかもしれない。

ZhuYin: キーパッド状に並んでおり、キーを押すと音声が再生される。
photo(3).jpg

BoPoMoFo: ランダムで注音符号とサンプル単語が表示される。
photo(2).jpg


■台湾華語の検定試験もある
中国本土の教育部(日本でいう文部科学省)が主催する中国語試験としては漢語水平考試(HSK)があるが、これと同様に台湾の教育部が認定する公的な試験がある。

華語文能力測驗
(日本名:中国語能力試験 SC-TOP)
http://www.sc-top.org.tw/jp/jp_index.php

日本での試験は東京(3月)・大阪(11月)の2回だけ。HSKと比べれば認知度がやや低いため、基本的には台湾の大学へ留学する時以外には効力を発揮しないが、力試し or 学習のペースメーカー的に利用するのはよいと思う。


■twitterは流行っていない。
日本で流行のマイクロブログtwitter。投稿されるのは短いリアルな表現ばかりなので、外国語学習にも便利だが、実は台湾の人はtwitterは使っていない。彼らが使っているマイクロブログは「Plurk」。twitterよりもUIがリッチで、リプライが見やすい。(ただし重くて繋がらないことが多々あり)日本ではまったく普及していないが、台湾やインドネシアで人気らしい。ちなみに台湾でもtwitterを使ってる人はいるが、たいてい中年のインテリおじさんか、plurkからのミラーリング投稿。

PlurkでFollowすべき人リスト(中国語)
http://briian.com/?p=6170

twitterもそうだけど、有名人・オピニオンリーダーが多数使っているというところが普及した理由だと思う。適当にこのあたりをピックアップしてFollowし、議論を眺めているだけでも、ネイティブのリアルな表現は覚えられる。